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リリシストとテロリストの狭間に

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男の存在は、ある者を不安にさせ、ある者を勇気付けたという。
だが、男の存在感が増すにつれ、避けては通れない軋轢が生ずる。
やがて、男の存在は消される。1998年6月25日の出来事。
男は凶弾に倒れた。イスラム過激派組織による犯行とされているが、真相は藪の中。
そして、声だけが残った。
その声に、いま自分は耳を傾けている。

ダルブッカ、タール、ヴァイオリンの奏でる極めてシンプルなアンサンブルを従えてのマンドーラ弾き語り。
冷めた情熱とでも表現したくなる独特のコブシ使いには、力強さと脆さが同居しているかのようだ。
アルジェリア国内におけるカビール人の苦悩など知る由もないが、本質的な喜怒哀楽がこびり付いた彼の
歌声には、純粋に胸打たれる。自身のユニゾン・コーラスを用いた曲なんかは、自らの未来を予見している
ようで、背筋がゾッとする。主体を失った声だけが、政治的軋轢の狭間を揺曳するという残酷な未来を。
息を呑むほどに美しいメロディの背景には、黒い歴史の影がちらつく。
それはあるレベルに達した音楽家の宿命とも言えるのかもしれない。
ともあれ、声だけが残った。その声は国境を越えて日本に住むボンクラの耳にまで届いたのだ。
それだけは紛れもない事実である。

何とも多くの血が長年、流されたことか。それでも俺たちは自分の血の品位を落とす行為はしなかった。
心の気高さによって、誠実さと叡智によって、俺たちはアルジェリアを救い出すだろう。
欺瞞から! 欺瞞から! 欺瞞から!
「LETTRE OUVERTE AUX...」の訳詞より抜粋

LOUNES MATOUB / AU NOM DE TOUS LES MIENS
LOUNES MATOUB / LETTRE OUVERTE AUX...
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Author:繁盛亭アルバイテン
ヒッピー・ボヘミアンな生活に憧憬を抱く浪速のポンコツ。
物心ついたときから寝つきが悪い。

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