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私たちの「ライブテープ」



自分の目の前で祖母が息を引き取ったのは、ある年の一月やった。
愛猫のチューさんが動物病院のゲージの中で、ひとり静かに息を引き取ったのも一月・・・。
一月さん、サヨナラばっかりはいらんで。

どうしようもない悲しみを抱え込んだとき、必ず決まって夜の堤防へと向かう。
そこには絶えず静けさと騒音が混在し、そして、生き物の匂いがするから。
真っ黒な淀川の向こうには、いくつもの高層マンション。
何らかの答えや救済を求めてる訳ではなく、ただ呆然とそこの明かりを眺めて過ごす。
すると何処からともなく警官が現われて、職質を始めよるねん。
彼らがどれだけ自分の身元やポケットを詮索しても、肝心なモノは出てこない。
心や頭の中に渦巻く、あんなことや、こんなことは。
お疲れ、おまわりさん。

前野健太のドキュメント・アルバム「ライブ・テープ」は、
それぞれの「私」が世界へと溶解することを、さり気なく促す稀有な作品です。
街に孤独や悲しみはつきもので、でも本当ははそいつらが寄り添って街を作っているのかもしれません。
感想をうまく表現できませんが、本年度における最も重要な作品のひとつであることは間違いありません。
マトゥーブ・ルネスのプロテスト・ソングやタンチーニョのコミュニティ・サンバのように、
生きるという行為をそっと鼓舞してくれる、かけがえのない歌と言葉。ただそれだけのことが、胸に響く。

*気鋭のドキュメンタリー作家・松江哲明が監督した本作の映画版は、
 第22回東京国際映画祭「日本映画・ある視点部門」作品賞(2009年)を受賞しました。

前野健太 / LIVE TAPE
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繁盛亭アルバイテン

Author:繁盛亭アルバイテン
ヒッピー・ボヘミアンな生活に憧憬を抱く浪速のポンコツ。
物心ついたときから寝つきが悪い。

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