スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

フランツ・カフカズ・ラビリンス



これはもう説明不要の名作ですね。しかし、これをあえて迷作と言ってみたい。
真に迷い込むという意味での迷作です。はい。

測量師Kが永遠に辿り着くことができない「城」。
本書末尾の解説には「職業が人間の唯一の存在形式となった現代人の疎外感」とか
「城は権力のメタファーである」みたいな難しい言説が掲載されていますが、
自分が読む限りでは、城はただの城でしかなく、その城の周辺で起きた瑣末な出来事が、
淡々と描かれているだけのように思います。何度読み直しても、その印象は変わりません。
想像力の欠如と言われればそれまでですが(笑)。

城に近づくでも離れるでもなく、一定の距離を保ちながら、自身の目的意識の不透明さを
何かと誤魔化し続けるKの言動が、無性に可笑しい。奇妙ですし、笑える。
当然、物語に筋らしい筋はないので、どこに焦点を絞って読み進めるべきなのか困惑します。
Kの見ている世界は、結局のところKにしか解からないのです。
だけど、途轍もなく面白い。物凄く引き込まれる。
一度開いたが最後、ページを捲る手が止まらなくなります。

作家・保阪和志さんの発言に以下のようなものがあります。
「小説は読んでいるその瞬間にしか存在しないものである」。

カフカの「城」を読むと、まさにそういうことなんやなぁ、という気がします。
それは作家の脳細胞の一筋一筋を、熱病にうなされながら徘徊するようなものなのですね。
小説という歪な「迷宮」をこれほど堪能できる作品も珍しいでしょう。
自分にとって、極めて重要な作品。オール・タイム・ベストな一冊であります。

フランツ・カフカ / 城


スポンサーサイト

テーマ : 小説
ジャンル : 小説・文学

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

繁盛亭アルバイテン

Author:繁盛亭アルバイテン
ヒッピー・ボヘミアンな生活に憧憬を抱く浪速のポンコツ。
物心ついたときから寝つきが悪い。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。