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密林のファンク大使



月の光も届かない闇夜の中を、ケモノたちはある場所を目指して移動していた。
湿った土の鳴りが、彼らの鼓膜をかすめる。
やがて一本の巨木の根元へと、数十匹、数百匹と集い始めた。
その様は、まるで夜そのものが終始、忙しなく蠢いているかのようだ。
巨木の袂には、古びたオルガンが置かれている。
それは、主の登場を待ちわびるかのように、静寂を噛み締めていた。

四つん這いになったケモノたちは、地表に落ちた木の実などを手探りで拾い集め、
ぼそぼそと口に運んだ。
やがて、木の洞の深淵から、ひとりの男が姿を現した。
彼こそが、主、アレマイユ。

主の存在に気づいた数匹のケモノたちが「ギーギー」と奇怪な歓声を上げ始めた。
それは瞬く間に全体に伝播する。
男は無言のまま、おもむろにオルガンの前に立ち、太い指先で触れた。
そして、声を発する。

その特異なコブシ回しに、森に眠る者たちが、畏怖の念を抱く。
指先から放たれた怪しい音色は、葦の生い茂る沼地をヌメヌメと徘徊する。
得体の知れない異形のファンクネスを全身に浴びたケモノたち。直後、様子が一変した。
突然、オスやメスの見境もなく、その場で交わり始めたのである。
蠢く森。喘ぐ夜。疾駆する男のシャウト。
1974年のエチオピア。

ALEMAYEHU ESHETE / MORE VINTAGE ! ETHIOPIQUES 22
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繁盛亭アルバイテン

Author:繁盛亭アルバイテン
ヒッピー・ボヘミアンな生活に憧憬を抱く浪速のポンコツ。
物心ついたときから寝つきが悪い。

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