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夏祭浪花鑑 ver. 平成中村座



開場と同時に、だんじりビートに飲み込まれ、町人たちのざわめきが、鼓膜を擦り抜けていく。
そう、祭りの始まりである。文楽でお馴染み『夏祭浪花鑑』の平成中村座ヴァージョンの開幕だ。

巧みなカット・アップと娯楽に徹した演出で、文楽とは一味違う、祭りの妙味を楽しませてくれる。
文楽の人形たちが軽々と人間を超越していたのに比して、人間は人間ならではの弱さを見せてくれる。
完璧に計算されたスキがあり、そこから零れ落ちる情がある。それが、今回の祭りの醍醐味である。
そして、ラストの凄まじいまでの昂揚感は、筆舌に尽くしがたい。見せ場たっぷりの大立ち回りを経たあと、
不意に小屋の壁が取り払われることで、団七と徳兵衛の「その先」が提示されるのだ。見えないのに見える城。
その瞬間、僕は言葉にならない咆哮を上げ、隣では妻が号泣し、友人の指輪は真っ二つに割れた(本当に!)。
このカタルシスは、終局に至るまでに垣間見た、女たちの深すぎる愛があってのことに違いない。

確かにこれは、純粋な歌舞伎ではいのかもしれない。「まるでサーカスのようだ」との批判もあるらしい。
だけど、伝統をアップデートする手法としては、最良のものを見させてもらったように僕は思う。
勘三郎さんは、敷居が高くなりすぎた藝術を、いま一度、大衆のもとに返還しようとしているかのようだ。
敷居を高めるのではなく、裾野を広げるために、全身全霊をかけて戦いに挑んでいるように思えてならない。
それは、善悪という単純な二元論を超えて、直接、心に打ち込まれるカウンター・ブローのようなものである。

最後になったが、当日券を獲得する為、眼前に聳える大阪城と対峙し、ひとりきりで3時間も並んでくれた友人、
そして、イヤホン・ガイドという大役を見事にやり遂げた友人に、最大級の感謝と敬意を。いつもありがとう。
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テーマ : art・芸術・美術
ジャンル : 学問・文化・芸術

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No title

最大級の敬意と感謝を!ありがとう!!
大衆から壁を作っている藝術はもったいないですね。
足を運ばないと知らなかった、本当に味わいがあります。

No title

muさん

ほんまに最高やったねー!
あらゆる巡り合せに、感謝やね。
エエもん見たー!また見よう。まだまだ見よう。
プロフィール

繁盛亭アルバイテン

Author:繁盛亭アルバイテン
ヒッピー・ボヘミアンな生活に憧憬を抱く浪速のポンコツ。
物心ついたときから寝つきが悪い。

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