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方丈庵のアヴァン・ポップ・マエストロ

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ゴッホやニーチェが絵画や文学に於ける不遇王だとしたら、アーサー・ラッセルは音楽のそれでしょう。
70~80年代に才気迸る楽曲の数々を産み落としていながらも、正等に評価されたのは00年代以降。
デヴィッド・トゥープ曰く「成功だけはいつでも彼の腕をすり抜けていった」ということになるそうです。
何を以って「成功」と言うのかによって、話がややこしくなる問題ではありますが・・・。
確実なのは、彼がエイズで他界した92年以降、ようやく世界がラッセルに追いついたってことですね。
過去音源が続々と再発されるなか、今回の2枚は、僕が特に気に入っている作品です。

すんごい絵柄の入ったチェロを手に佇む『コーリング・アウト・オブ・コンテクスト』は、シンプルな音と歌が
ノスタルジックに溶け合うエレクトロ・ポップ。そして彼のキャリアの中でも最大の問題作と言われている
『ワールド・オブ・エコー』では、前衛詩人のインナー・ヴィジョンが静かに揺曳しています。
ラッセル自身のチェロ演奏と簡素な歌だけで構成された本作には、半ば神秘的なまでの叙情性が滲んでいます。
ラッセルはあらゆるミニマリズムを愛したと言います。ディスコやアフリカ音楽に於けるミニマリズム。
更には水流や、風や、静寂の奏でるミニマリズムとも戯れたのだと。その成果は、如実に現れています。

もしかして、アーサー・ラッセルとは、鴨長明の生まれ変わりなのではないでしょうか?
鴨長明は小川の近くに庵を結び、水流の音を音楽として受け取りながら、そこに自らの琵琶の音を重ねて
楽しんでいたとの記述が残っています。あらゆる感覚が鈍磨しつつある僕たち現代人は、多くのことを
先達から学ぶ必要がありそうですね。彼らは、そんなのお構いなしに楽しんでいるだけなんでしょうけども。

ARTHUR RUSSELL / CALLING OUT OF CONTEXT
ARTHUR RUSSELL / WORLD OF ECHO
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繁盛亭アルバイテン

Author:繁盛亭アルバイテン
ヒッピー・ボヘミアンな生活に憧憬を抱く浪速のポンコツ。
物心ついたときから寝つきが悪い。

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