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エクスペリメンタル・ラヴ・シック



愛人との底なしの逢引を重ねるごとに、妻への敬虔な思いを募らせる愚直な男。
蠅、狼、猫といった神の化身(と思い込んでいる)に脅えるあまりに、妻への配慮を欠く国王。
己の不在時に身ごもった、愛する女への純真を最後まで貫き通す、悲しきチェリー・ボーイ。

三者三様、それぞれの主人公の身に起きた出来事を淡々と描く、名作中の名作ですね。
それにしても、けったいな物語ですな。「なんでそ~なるの?」と突っ込みを入れたくなること必至です。
しかし「なんでそ~なるの?」と思いつつも、そう書かれたからには、そう受け取るしかないですからねぇ。
現代思想家の佐々木中さんが仰るように、そもそも他人の書いた物語なんて、読める筈がないのでしょう。
自分が理解できる範囲の解釈で折り合いをつけて、分かったような気になって、批評するのが関の山。
本書に関しては、ムージルが何を考えているのか、僕にはさっぱり分かりません。
同時に、分からないってことは、なんて贅沢なことなんだろうとも思ってしまいます。
こういう物語と何度も向き合うことで、僕たちは日常に潜む「何か」の片鱗を見つけるのかもしれませんね。
それは、ときに手痛いしっぺ返しを喰らうことにもなりかねないのですが・・・。

自分を映すことのできる他人が身近にいなければ、
自分自身のことなぞ、実にわずかしか分からないものなのだ。
 (本文より抜粋)

ムージル / 三人の女・黒つぐみ
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テーマ : 小説
ジャンル : 小説・文学

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繁盛亭アルバイテン

Author:繁盛亭アルバイテン
ヒッピー・ボヘミアンな生活に憧憬を抱く浪速のポンコツ。
物心ついたときから寝つきが悪い。

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