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無産階級の息吹



ギリシャを代表する男性歌手ヨルゴス・ダラーラスの09年最新作。
ボトムはレンベーティカやライカにあるものの、頭は多様なジャンルに突っ込んでいる。
ロックやラテンの要素を自在に取り入れているが、しかし、
ボトムの世界観が揺るぎないものであるため、ギリシャらしさは微塵も損なわれていない。

浮ついたところが、まるでない。
すべてはダラーラスの手中に、あるいはギリシャの街角に回帰する。

ダラーラスの歌唱は一聴、しなやかで、聴く者にその「巧さ」を押し付けない。
けれど、それは表層的なリスニング体験に過ぎず、
彼の歌は知らず心の奥底に張り付いている。
陰影、哀愁、色香、そういったものが渾然一体となって押し寄せてくる。
もう、ダラーラスからは逃れられない。
私もまた、彼の手中にあるのだ。

ブズーキ、ギター、アコーディオン、ヴァイオリンを基調に、曲によっては
エレキギター、シンセ、ドラムが参戦する。
自分にとって、ギリシャ音楽はブズーキだ。
いかなる楽器を差し置いても、ブズーキなのだ。
あの魅惑の弦楽器が、音楽に魔法をかける。

そして呼び覚ます。
第一次世界大戦直後の無数の魂を。
トルコから流れ着いた移民や、プレカリアートの悲哀。そして、歓喜を。

この手の音楽を聴くと、自分は歴史上の小さな小さな点に過ぎないことを思い知らされる。
それを知ることは寧ろ、歓迎すべきことのように、いまは思う。
だから、ワールドミュージックはたまらない。

GEORGE DALARAS / GI AFRO IPARHOUN I FILLI
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テーマ : 音楽
ジャンル : 音楽

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No title

こんばんは。

素晴らしい記事ですね! ダラーラスにも読ませたい。
ギリシャの歌って、歌詞の意味も分からなくても
強い物語性を感じるんですよね。
シャンソンともファドとも違う、何か
大衆に寄り添った親しみを感じます。汗と海の匂いみたいな・・・

No title

シャケさん、こんにちは。

ほんまにシャケさんの仰るとおりで、ギリシャの音楽には普遍的な物語性を感じますね。そこに、どうしようもなく魅了されるので、文章もついつい暑苦しいものになってしまいました(照笑)。

シャケさん、プランテーションに突撃されたんですねぇ。
饒舌な店長さんの話があまりに面白くて、自分はいつも長居してしまいます。
あと、シャケさんお勧めの「小アジア」はエルスールレコーズに取り寄せをお願いしました。楽しみです。
プロフィール

繁盛亭アルバイテン

Author:繁盛亭アルバイテン
ヒッピー・ボヘミアンな生活に憧憬を抱く浪速のポンコツ。
物心ついたときから寝つきが悪い。

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