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ララ・バイ・ブル



人よりも歌が上手くて、楽器もそつなくこなす。そういう人が歌手になるのは必然なのかもしれない。
けれど、そんな人ばかりではない。歌も演奏もからっきしダメだが、それでも自分には語りたいことがある。
そう言って、ギターを手に歌い始める人もいる訳だ。90年代からオルタナティヴ・フォーク・シンガーの地位を
守り続けている豊田道倫さんは、紛れもなく後者だろう。正直言って、豊田さんの歌唱力はヒドイ。
しかし、彼の口から放たれる歌の強度たるや、他の追随を許さないものがある。
彼の歌については、聴くというよりも、撃たれると形容したほうが良いのかもしれない。
丁重に管理された「リアル」が持て囃される今日に於いて、豊田さんの音楽は毅然として、生々しい。

子供が出来た喜びに満ちていた07年の『しあわせのイメージ』から一転、離婚を経てリリースされた
今年の新作『バイブル』では、全13曲に渡って、脅威のダウナー・トリップが展開されている。

再び一人暮らしに戻るからと、バレンタインデーに部屋探しをしている男は、かつての女との情事に想いを馳せ、
99ショップで売られている豚バラ肉から殺人事件を想起し、のりPの旦那に同情する。その様は何とも心許ない。
おまけにガールズ・バーの前に佇んでは「ちょっと話したいだけ。ちょっと遭いたいだけ」と逡巡を繰り返す。
時折、そんな男の脳裏に危うい妄想が去来するのだ。「オマエの血液はどんな色、きっとドス黒く濁って・・・」
「女の子の唇は、触れると熱くて濡れて、中に入ったら、心も身体も食べられそうになる」とか何とか。
そして、最後には、恐るべき独白に終着する。「殺した人は、ほんとは好きだった」・・・と。

本作で聴ける物語は、豊田さんの経験から捻り出されたモノなんだろうけど、「男」=豊田道倫ではない。
「男」はキリスト教徒にとってのイエス、イスラム教徒にとってのアッラーに近い存在なのかも知れない。
何故なら豊田さんは、人間を遠ざける為にフォークをやっているのだから。だからこその『バイブル』なのだ。

どうして僕は捕まらないのか こんなに悪いのに 人を傷つけたり騙したり 平気で歌ったり 

参考にこちらをどうぞ。

豊田道倫 / バイブル
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テーマ : 音楽
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繁盛亭アルバイテン

Author:繁盛亭アルバイテン
ヒッピー・ボヘミアンな生活に憧憬を抱く浪速のポンコツ。
物心ついたときから寝つきが悪い。

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