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貴重な時間をありがとう

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フランスの作家/民俗学者ミシェル・レリスの大著『幻のアフリカ』には、しばしば性的な考察が挿入される。
なかでも、個人的にとても興味深かった「手淫論」という箇所を抜粋してみようと思う。

手淫をしようとしている、或いはしつつある男の周りに見え隠れする姿が全く想像上のものであるにせよ、
或いはその姿が、ただ一つの思い出から、またはいくつもの思い出の合体から作られているにせよ、
手淫者が自分だけで満ち足りることは決してありえない。彼はこの、或いはこれらの束の間の相手に
外から支えられることを必要としており、自涜者が《自分だけで事足りる》とする通説は誤っている。
手淫の崇高さも惨めさも、こうした幻覚(男が射精した直後に消える)という性格に由来する。


ノルウェー映画祭・音楽部門の最高権威であるゴールデン・クラップ・ボード賞を史上最年少で受賞したカーダ。
彼の03年作『Thank You Giving Me Your Valuable Time』の素晴らしい幻惑サウンドと、レリスの「手淫論」は、
僕の中で、なぜかピタリと合致する。片や、ロック、ブルース、フェイク・ジャズ、アメリカン・オールディーズといった
雑多な音楽性を、偽りのノスタルジアで包み込んでいく奇妙なアティチュード。片や、空想上の遊び友達を懸命に
愛撫しようとする切実なアティチュード。僕にはそれらが同様のモラルを内包しているように思えてならないのだ。
カーダの音楽を聴くにせよ、手淫に耽るにせよ、行為のあとに残るのは、消費した時間の残骸だけである。
それは、危険なほどに退廃的で、しかし、どうしようもなく癖になる。

フェイス・ノー・モアのマイク・パットンとの共作『Romances』では、大所帯オーケストラをフィーチャーした
重厚なゴシック・サウンドを展開している。ソロ作ほどの中毒性や快楽性はないが、こちらも悪くない。
さぁ、お粗末な文章の終焉だ。右手でしっかりと自身を握り締め、躊躇することなく再開しよう。音と澱。
ここまで読んでくれたアナタへ、貴重な時間をありがとう。

Kaada / Thank You Giving Me Your Valuable Time
Kaada,Patton / Romances
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繁盛亭アルバイテン

Author:繁盛亭アルバイテン
ヒッピー・ボヘミアンな生活に憧憬を抱く浪速のポンコツ。
物心ついたときから寝つきが悪い。

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