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夏祭浪花鑑



泉州浜田の家中 玉島兵太夫の忰磯之丞は、堺の遊女琴浦に溺れて放埒を尽くし、勘当される。
兵太夫の恩を受けていた堺の魚売団七九郎兵衛は、琴浦と添わせるべく磯之丞の世話をする。
磯之丞の恋敵大鳥佐賀右衛門は、琴浦を手に入れようと奸計し、一寸徳兵衛を味方につける。
団七と徳兵衛は達引きとなったが、徳兵衛も玉島家の恩顧を受けたものであることが判明し、
団七と徳兵衛は義兄弟の契りを結んで、磯之丞を守ることになり、釣船の三婦の許に磯之丞と琴浦を匿う。
徳兵衛の女房お辰は、磯之丞を備中玉島へ送り届けるため、自らの額に焼き鏝を当てて、醜婦となる。
団七の舅三河屋義平次は琴浦を奪い、大鳥に渡して金にしようとするが、追付いた団七はさまざまな恥辱に
耐え、歎願するも聞入れぬので、思わずも舅を殺してしまう。舅殺しが露見した団七は・・・・・・。

なんていう「あらすじ」を捲くし立てることは、例によって意味がない。
人形浄瑠璃は上演されている瞬間にこそ血が通う。その瞬間に立ち会わなければ、真の魅力は伝わらない。
あの噎せ返るような大衆の臭気を、お堅い言葉で形容することなんて、できる訳もない。
だから、この文章も悪あがきに過ぎない。それでも伝えたい。無謀と知りつつも、言葉との格闘を演じてみる。

文楽を観劇する度に思うことなんですが、これは堅苦しい「お芸術」なんかじゃないですよ。
血湧き肉踊る大衆娯楽、その一言に尽きます。そして、今回の『夏祭浪花鑑』は、物凄くハードボイルドな内容。
全身にド迫力の彫り物を刻み込んだ団七のカリスマ性に釘付けですよ。人一倍、仁義を尊ぶ人柄でありながらも、
一度スパークすると誰も手が付けられない。その暴走っぷりの凄まじいこと。あまりの迫力に、またしても彼が
人形ってことを忘れてしまいました。究極が、舅を殺めてしまう「長町裏の段」でしょう。まさに狂乱の坩堝。
歓喜のだんじりビートが、文字通りの地獄絵図に不思議な躍動感を与え、より一層、混沌に深みが増しています。
物語のクライマックスはここになるのでしょうが、見所は他にも多数あります。

手に汗握る心理合戦。跳梁跋扈する嘘、嘘、嘘。迸る人情。気っ風のいい女。こりゃ『アウトレイジ』ですぜ。
特にお辰さんね。美しいお顔に灼熱の焼き鏝を当てての「この顔でも分別の・・・」には戦慄が走りましたよ。
そして真昼の情事を演出する際の徳兵衛の名台詞には爆笑しました(場内で、僕と友人のふたりだけが)。
裁縫をしているお梶の下半身を弄りながら「ここの綻びをワシが縫うてやろうかい」ですからね。最高です。
このような素晴らしいものに触れる機会を与えてくれた友人には、感謝の気持ちでいっぱいです。おおきに。
何となくショーン・ペンの初監督作『インディアンランナー』を思い起こしたりなんかして・・・。
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テーマ : art・芸術・美術
ジャンル : 学問・文化・芸術

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No title

文楽って敷居の高さを感じますものね。
私も以前に見せてもらいましたが、虜になりました。
何が凄いって、言ってしまえば人形劇ですが、映画やドラマとは一味も二味も違う感情の深さです。鳥肌続出です。
あと、昔時間の時間の流れ方も半端じゃないですね。言い出したらきりがない。

今度、『文楽を見ようツアー』を計画したいと思います。
→次の大阪公演がいつか分からないですが、参加者募集中。

No title

muさん

ほんとにねぇ。素晴らしいよね。あんなに笑って泣けるものだと思わなかったよ。
友人に薦めてもらうまでは、完全に敬遠していた口やもんね。
まったく、奴ら(人形)、凄いよ。『文楽を見ようツアー』良いねぇ。
是非とも実現させて下さいな。
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繁盛亭アルバイテン

Author:繁盛亭アルバイテン
ヒッピー・ボヘミアンな生活に憧憬を抱く浪速のポンコツ。
物心ついたときから寝つきが悪い。

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