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雑踏(ゲットー)ミュージック



かつて勤めていたバッグ専門店に、愉快な店長さんがいました。
何が愉快かって、接客の際にお茶目な言い間違いを連発するんですよ。
まぁ、愉快とは言ってみたものの、お客様からすれば不愉快だったに違いありません。

「そちらは一点ものなので、すぐにニュウテ(入手)困難になりますよ」
「あらかさま(あからさま)なブランド物よりもオススメです」

極めつけは、黒人女性をモチーフにしたルル・ギネスのバッグを手に取り、
「このニグロのバッグなんて、貴女にお似合いだと思いますよ」
なんていうデリカシーの欠片もない発言で、お客様の表情を歪ませていました。
ええ、本人は至って冷静。なんでしたら満面に笑みですよ。
言い間違いも、ときには暴力になるんですねぇ。STOP言葉の暴力!

ところが世の中とは計り知れないもので、自らを「ただもうひとりのニガー」だと
言ってのける音楽家がいます。
唯一無二のブラック・ソウル・ミュージックを奏でるデトロイトのムーディーマンこと
ケニー・ディクソン・Jr(以下、KDJ)その人です。
言わずと知れた、ディープ・ハウス・マスターですね。

高校生のときにKDJの1st「サイレントロダクション」を手に入れた自分は、
「ああ、これで俺はもうスティーヴィーやマーヴィンを聴く必要なんてないんや」
とまで思った(実際には、聴いていましたが)ほど、衝撃を受けたのを覚えています。

気高く、美しく、それでいて淫靡で危険な退廃の匂いもする。
デトロイトの雑踏がそのまま刻み込まれたようなレコードを何度も何度も回転させました。
彼のアルバムはすべてが素晴らしく必聴盤に値しますが、この「ブラックマホガニー」は
特に粘着質な仕上がりで、毎度のごとく聞き惚れてしまいます。
ここで鳴っているのは、ハウス、ジャズ、ソウル、ファンク、ゴスペル…黒人音楽のあらゆる結晶。
ハイハットの刻み方や、音の定位が完全にオリジナルで、一瞬聴いただけでKDJだとわかるサウンド。
極めて純度の高いソウル・ミュージックであると同時に、ダンスフロアのギャルたちをそっと濡らす、
音の媚薬とも言えるのではないでしょうか?

ここ数年はヴァイナルのみのリリースにこだわっているみたいで、
それはインドネシアのダンドゥット歌手の多くが未だにカセットテープでしか
作品を発表しないのと、だいたい同じような理由のようです。
彼らはあくまでも、市井の人々に、音を届けたいのでしょうね。

MOODYMANN / Black Mahogani
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テーマ : 音楽
ジャンル : 音楽

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はじめまして!

繁盛亭アルバイテンさんこんにちは。
先日は当繁盛記へコメントをありがとうございました。
エル・スールさん経由でこちらへ漂着してきたばかりの頃、
同時期に頂戴したコメントでしたので、驚きを隠せません。

さて、こちらの店長さんですが愉快すぎます!
「ニグロのバッグ」のくだり、爆笑を抑えることができませんでした。

そして、KDJはおろかムーディーマンすら聴いたことがなくてお恥ずかしいのですが、
「黒人音楽のあらゆる結晶」「淫靡」「そっと濡らす」にピクッと来ました。
CDで聴けるものがあったら、ぜひ「ニュウテ」したいです。

繁盛つながり、今後ともよろしくお願いいたします。

No title

questaoさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。感謝です。
questaoさんがブログでハウスのブレイズや、日本語ラップのツイギーを紹介されていたので、勝手ながら親近感を持っていました(笑)。おまけに元レゲエ好きってところも。

屋号がステキすぎる「パンゲア食堂繁盛記」で取り上げておられるアフリカ音楽や、ぶっ飛んだジャズのほんとんどが聴いたことのないもので、いつも勉強させてもらっています。

プリンス好きの questaoさんなら、、ムーディーマンはお口に合うかもしれません。
来日ライブでは、半裸のお姉ちゃんを従えてのサド・マゾshowでした。
いまはミックス形式のベスト盤がCDで流通していますよ。
ぜひ「ニュウテ」してみてください(笑)。

こちらこそ、今後ともよろしくお願いいたします。
プロフィール

繁盛亭アルバイテン

Author:繁盛亭アルバイテン
ヒッピー・ボヘミアンな生活に憧憬を抱く浪速のポンコツ。
物心ついたときから寝つきが悪い。

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