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堆積する時間と消滅



ラテン・アメリカ文学の大傑作にして、圧縮の文学の金字塔。

蜃気楼の町「マコンド」で時間と血に翻弄される一族の、孤独と苦悩の壮絶な記録。
この本の中には紛れもなく「マコンド」を流れる時間が刻印されていて、
それは時計を見て秒針がどれだけ進んだのか、とかいう時間では断じてなく、
たとえば自分の祖父と話している時などに感じるそれであり、
あるいは祖父の侘しい頭髪、または顔や手に刻まれた無数の皺そのものに代弁される時間である。

百年とは、ひとりの人間がひとりで完結し得る空間であり、
過去、現在、未来を鳥瞰することが可能な、言うなれば歴史の折り目のようなもの。
本書で展開されるのは、極めて個人的な時間のコントロール。
アウトロに始まり、イントロで終わるという円環構造で独自のファンクネスを叩き出した
J・ディラの遺作「ドーナツ」にも通ずるところがある。

「死すべきことに対抗する努力は恒常的で、一貫し、総体的なものでなければならない」
と言うのは建築家・荒川修作の思想であるが、マルケスは同様の考察を、
一族の闘争に委ねて描き出しているようにも思える。

1ページ前に死んだはずの人間が、数ページ後には行間を暗躍しているというのは
本書においてはザラで、その痛快さったら、正直、サイバー・パンクどころの騒ぎではない。

そして、この重厚な物語の終盤に訪れる圧倒的な高揚感に、自分は息をするのも忘れたほどである。
これを神話と呼ばずして、なんと言うのか!!!!!
ちなみに、作中にこんな言葉が出てくる。
「文学は人をからかう為につくられた、最良の道具」

G・ガルシア=マルケス / 百年の孤独
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テーマ : 小説
ジャンル : 小説・文学

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No title

この本を読んで、アルバイテンさんは一年ほど文章をかけなくなったんですよね?
言葉で表現できないものを言葉にした・・・そんな本でしょうか。
海や山や太陽や大自然のような。

もう少し大人になったら是非読んで見ようと思います。

No title

muさん、その通りですよ。
これは良い意味でのトラウマになりえる作品です。
これに対する日本からの回答とも言える磯崎憲一郎さんの「世紀の発見」も最高やったなぁ。
プロフィール

繁盛亭アルバイテン

Author:繁盛亭アルバイテン
ヒッピー・ボヘミアンな生活に憧憬を抱く浪速のポンコツ。
物心ついたときから寝つきが悪い。

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