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Books of the Decade

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と、言う訳で今回で200回目の更新となります。ここまで続けてこれたのは皆様のお陰です。感謝。
で、予告どおりに今回もやります。ゼロ年代ベスト。100回記念のときは音楽でしたので、今回は文学。
世界に誇れる、最強の日本文学です。引き続き、お手柔らかに、どうぞ。

1.阿部 和重 / シンセミア
  本書の登場によって、文学界のモードが完全に変わった。忌まわしき神町サーガの幕開け。

2.保阪 和志 / カンバセイション・ピース
  ページとページの狭間に織り成す、いくつのも時間。読書が特別な体験であることを教えてくれる。

3.町田 康 / 告白
  誰もが共感を寄せるだろうが、誰にも描けない物語。溢れ出す思弁の洪水に、号泣必死。

4.古川 日出男 / 聖家族
  圧倒的なグルーヴ感で語られる、妄想の東北史。カテゴライズ不能、霊長類ヒト科最強のメガ・ノベル。

5.吉村 萬壱 / バースト・ゾーン
  怒涛のように押し寄せるグロテスク描写。人類が恐れるディストピアを、言葉の力で現出させる。

6.舞城 王太郎 / 阿修羅ガール
  ガールズ・トークが純文学を喰らう。この時期の舞城さんは本当に神がかり的な面白さだった。

7.磯崎 憲一郎 / 肝心の子供
  たったの100頁ほどで、ブッダの歴史を俯瞰する。つまりは、極めてスリリングな圧縮の文学。

8.堀江 敏幸 / 河岸忘日抄
  本を読み、音を聴き、酒を飲むことの豊かさを、静謐な文体で綴る贅沢な一冊。

9.いしい しんじ / ポーの話
  近年のジブリが描こうとして描けていないファンタジーが、ここにはすべて詰まっている。お子様に是非。

10.西村 賢太 / どうで死ぬ身の一踊り
  退屈な私小説の世界に、楔を打ち込む「どうしようもなさ」。自分はダメ人間だと思った時には、必読。 

以上、繁盛亭アルバイテン的「Books of the Decade」でした。
飼い慣らされるだけの教養なんて、クソ喰らえです。大切なのは強度です。言葉の濁流に溺れましょう。
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テーマ : 小説
ジャンル : 小説・文学

幻聴なるアフリカ



帯に寄せられたピーター・バラカンさんの言葉に象徴されるように、荻原さんの『ポップ・アフリカ700』は、
熱心なアフリカ音楽ファンにとって、まさに唯一無二の教科書と言っても過言ではないのでしょう。
もちろん異論はありません。実際に僕もそのような目的で、活用させてもらっています。
しかし、本書の魅力はそれだけではありません。ディスク・ガイドというのは表向きの顔でしかないのです。

無礼と誤解を承知で言わせて貰えば、本書はアフリカ音楽という呪術に、いや、アフリカン・ポップスという名の
ザールに憑依された、ひとりの東洋人の冒険譚なのです(bunboniさん、勝手な解釈をお許しください)。
そう、これはまさにミシェル・レリス『幻のアフリカ』の現代版というか、ポップ・バージョンに違いありません。
700枚のディスクに充てられた詳細なレヴューと、レリスの日記は、イコールで結べてしまうのです。

氏は、たったひとりで、700枚の音源を相手に格闘しておられるのですよ。
「好き」という想いだけで、誰もが成せる業ではありません。

愛憎相半ばする紹介文は、当然のようにスリリングで、手に汗握らずにはおれません。
良くも悪くも、冷静に「じゃあ今度はこれを買おう」とはなりません(bunboniさん、本当にすみません)。
えーい、もう思い切って言ってしまいましょう。本書はアフリカを舞台にしたビルドゥングスロマンなのです!
だからこそ、『幻のアフリカ』と同様に、何度でも読み返したくなる訳です。
そして、荻原さんの音楽を巡る冒険は、引き続きコチラでも展開中なので、これまた目が離せません。

本書のキーワードである「700」には到底及びませんが、次は更新「200」回記念として例の企画やります。

荻原 和也 / ポップ・アフリカ700

テーマ : 小説
ジャンル : 小説・文学

ごきげんだぜ、ベイベー!



画家の大竹伸朗さんが、DOMMUNEに出演された際に、以下のような発言をしておられた。
30代、40代で、そろそろ自分も落ち着かないといけない年齢だ、とか言ってる奴はダメだぜ。
俺なんて50も半ばになるけど、10代の頃と何にも変わってねぇ。未だに分からないことだらけだ。


そう言えば、フレンチシェフの異端、田辺年男さんも同じようなことを仰っていた。
60歳までが基礎作り、いまようやくスタートラインに立った。

うーん、素晴らしい。やはり何かを成し遂げる人ってのは、言うことが違うね。
そこで、64歳にして未だ現役、ジュジュのオリジネイターであるキング・サニー・アデさんの新作を聴く。
なんちゅう爽やかさ、軽快さであろうか! とても還暦を過ぎた男のギター・プレイとは思えない。
そして、トロけるような甘~いヴォーカル! これにはナイジェリアのギャルたちも腰が砕けるに違いない。
きっとアデのおっさんは、いまも青春真っ只中なんだよ。青春18切符でトレイン・トレインなんだよ。
世界中に『シンクロ・システム』を響かせた頃よりも、更にリラックスしてジュジュを楽しんでいるみたいだ。
日本の団塊の世代ジェントルたちにも、見習ってもらいたいね。気分はまさに『モーニング・ジョイ』だよ。
さぁ、明日にでも喫茶店のママを口説き落として、ありきたりな朝を喜びに変えよう!

KING SUNNY ADE / MORNING JOY

テーマ : 音楽
ジャンル : 音楽

ユウコ・イン・ワンダーランド



acoさんやYUKIさんやcharaさんが、懸命に開拓してきた不思議の国のガールズポップ。
そんな男子禁制の魅惑ワクワク妄想スパイラル・ワールドの最前線に躍り出たのが、安藤裕子さん。
彼女の新作を鼓膜に放り込んだら、三半規管に音符の花が咲き乱れ、愛らしい旋律がスキップを始める。
それでも今回は『ジャパニーズ・ポップ』という直球のタイトルだけあって、意外と王道のポップスだわね・・・。
・・・とか思っていたら、後半にかけて徐々に深い霧が立ち込めて、瞬く間に、私・イン・ワンダーランド状態。
緻密なアレンジに、浮世離れしたヴォーカル。美しいメロディが語るいくつものストーリー。
すべてを聴き終えたとき、モノクロームに霞みゆく彼女が微かに微笑んだ・・・。

こんな音楽を聴いてしまったら、やっぱりレヴューすることがバカバカしく思えてくる。
だって、音楽そのものが、誰よりも雄弁に語りかけてくるんだから。
そして、僕たちも、そんな音楽の一部なんだ。意味なんていらない。意味なんて。
ただ、聴いて泣けば良い。今日もまだ、生きてる。

安藤裕子 / JAPANESE POP

テーマ : 音楽
ジャンル : 音楽

崖っぷちのアレティ



こんなことを言うと、諸先輩方からお叱りを頂戴しそうですが、
自分、ギリシャ歌謡に関しては、ハリスとダラーラスさえ聴ければ良いかなぁ、なんて思っているんです。
そりゃ色々と聴くに越したことはないのでしょうけど、こちらの懐事情もギリシャばりに逼迫していますから。
それにそれに、両横綱に肉薄するような歌手なんて、そうそう居ないでしょ、って高を括っている節もあります。
日本でも高い評価を得ているエレフセリア・アルヴァニターキに関しては、サウンド・アレンジは秀逸なものの、
神経質そうな声が苦手。僕の好みは、ハリスのような気っ風のいいドスコイ母ちゃん風ヴォーカルですからね。
そんなことをダラダラとボヤキつつ、こちらのアレティ・ケティメ嬢を聴いてみました。おかげで火の車です。

本人の演奏によるサントゥーリの音色が心地良い、アコースティックな作品ですね。
声質はハリスとエレフセリアの中間といったところでしょうか? 独特の哀愁があります。
ダラーラスの十八番、マルコス・ヴァンヴァカリスのレンベーティカなんかも、見事にモノにしています。
崖っぷちのギリシャから届けられた、ブライテスト・ホープの澄んだ歌声に拍手!

ARETI KETIME / ME TI FONI TIS ARETIS

テーマ : 音楽
ジャンル : 音楽

お笑いパープル・レイン

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さて、今回はお笑い界に燦然と輝く金字塔、松本人志さんの『VISUALBUM』を取り上げましょう。
本作、ボトムはペーソスの漂う人情喜劇にありますが、頭は完全にサイケデリックに突っ込んでいます。
ここに収められたコントによって、彼が本当に人々を「笑かそう」と思っていたのかさえ、怪しいところ。
それくらい、ここでは「お笑い」の定義が蹂躙され、歪なカタチのまま、ドロ~っと横たわっています。
俗を極めて聖を成す、とでも言いましょうか、ある種の神々しさのようなものさえ感じられますね。

常識を寿司ネタもろとも叩き潰す『寿司』、『大日本人』の雛形とも言える『巨人殺人』、
糞まみれの児童が奏でる『荒城の月』、板尾創路のポテンシャルを最大限に引き出した『古賀』、
迸るサディズム『ゲッタマン』、芸人のあるべき姿を問う『園子』など、突出した作品が並びます。

中でも最大の白眉が、オカルトな気配すら漂う『システムキッチン』と『診療所』。
不穏なミニマリズム、得体の知れない官能が、嫌というほど脳裏にこびりつく、恐ろしいコント。
これこそが、芸人・松本人志の真骨頂であり、ある意味「お笑い」の極北とも言える作品でしょう。

願わくば、松ちゃんには、当時のような闇(病み)を、ずっと引きずっていてほしかったですね。
『診療所』の医師が言うように、僕たちはみな、「一億総患者」なのですから。

松本 人志 / VISUALBUM

テーマ : 松本人志
ジャンル : お笑い

犬にだって良い日が・・・

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二日続けての私的な内容の記事で申し訳ありませんが、しばし、お付き合い願います(笑)。
中学二年~高校三年までの五年間、僕はボクシングジムに通い、練習に打ち込んでいました。
人とつるむのが好きではない自分にとって、己と向き合うボクシングは非常に性に合っていました。
ただ、性に合っているからと言って、実力や結果が伴う訳ではありません。
当たり前の話ですが、そんなに甘い世界ではないですよね。
結論から言うと、プロボクサーには、なれませんでした。
尻尾を巻いて、ジムから逃げ出してしまったんです。

「才能ない奴はダメだ。その言葉で諦めたらそれまでだ」というのは、
ステルスというラップグループのリリックですが、当時の僕は、まさに「それまで」の奴でした。

その後、あることを決意するに到ります。
自分はボクサーにはなれなかったけど、ボクシングから得た経験を、小説という形でアウト・プットしよう、と。

そして完成したものが、初めての長編小説『EVERY DOG HAS ITS DAY』です。
二十歳前後に書いていたものなので、さすがにいま読み返すと赤面を禁じえない描写が多々ありますが、
良くも悪くも、ここがゼロ地点なんだという確信があります。妙に内容が暗いし、肩肘張っていますけど、
こいつと向かい合う度に、ここから一歩でも先に行かなければならないと、不思議な力が湧いてくるのです。

ちなみに、本書を持って、数年振りにボクシングジムの戸を叩いた僕に対して、恩師は、
かつてと何ら変わることのない態度で「はよグローヴつけろ、スパーリングや」と言ってくれたのでした。
EVERY DOG HAS ITS DAY = きっと良い日がくる。それを強く実感した、ある夏の日の午後でありました。
もしも本書に興味を持っていただけたなら、コチラコチラでチェケラッチョして下さい(笑)。よろしく、どうぞ。

土井 政司 / EVERY DOG HAS ITS DAY

テーマ : 小説
ジャンル : 小説・文学

青い感傷



僕は小説を書いています。
物語を考え、言語化し、PCに打ち出し、校正し、製本し、販売しています。
とは言いましても、それによって得たお金で、生計を立てている訳ではありません。
執筆作業とは別に、生きるため、喰うための仕事をしています。簡単な話、二足の草鞋というやつです。
本当に面白い作品を書いている人やズバ抜けた才能を持ってる人は、それ(物書き)だけで喰っています。
セルアウトだとか、そういう次元の話ではありません。気迫に満ちた作品はマスにもコアにも響くものです。
現状、僕がそうなれないのは、まだまだ才能をカバーするだけの努力が足りないということです。

妻は、そんな僕をいつも真摯にサポートしてくれます。
原稿を読み、「ここはスリリングだった」「ここはイマイチだった」と率直な感想を伝えてくれます。
そして、装丁のデザインを一緒に考えてくれたり、製本を手伝ってくれたりもします。
校正や製本のノルマを達成した後に、ふたり(+1匹)で飲む紅茶は格別なんです。
今よりも、更に美味しい紅茶を味わうためにも、もっと面白いものを書かなくては、と、思い至るのです。

真夜中にホセー・アントニオ・メンデスのフィーリンを聴くと、どうしても青い感傷に浸ってしまいます。
そして、いつも妻の的確な助言を思い出すのです。そう、それはあまりに的を射た指摘なんです。

妻 : 「下ネタに逃げないで」

JOSE ANTONIO MENDEZ / CANTA SOLO PARA ENAMORADOS

テーマ : 音楽
ジャンル : 音楽

エレクトリック・ジャズ銀河系



デビュー・アルバムの冒頭曲に「Mad Mike Disease」というタイトルを付けてしまう程に、
デトロイト・テクノを心酔しているUKのプロデューサー、IAN O'BRIENさん。
そんな彼が、デトロイト・コンプレックスから完全に解き放たれたのが、こちらの3枚目。

JACO PASTORIUSの「TEENTOWN」や、PAT METHENY「A MIDWESTERN NIGHT'S DREAM」の
美しすぎるカヴァーを含む、エレクトリック・フュージョンな名盤です。
巧みな空間処理とリズム遊びが、高い次元で確立された本作から聴こえてくるのは、
ジャズであり、ブラジリアン・グルーヴであり、アフロビートであり、テクノであり、アンビエント。
それにしても、アパラやフジを想わせる変拍子の洪水、多彩なリズム・アプローチには、血が騒ぎます。
コズミック・アフロ・ビートな「Yemura」は正直言いまして、本家フェラ・クティを凌ぐ格好良さですね。
01年の発売当時、ワールド系ライターの高橋健太郎さんも絶賛しておられたように記憶しています。

IAN O'BRIEN / A HISTORY OF THINGS TO COME

テーマ : 音楽
ジャンル : 音楽

愛と怒りで鉄と化す

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さて、今年も残すところ、あと3ヶ月を切った訳であります。
恐らく皆様も、心の中で「年間ベスト」を視野に入れつつ、エンタメ作品を満喫しておられることでしょう。
作品を順位付けすることに意味はないんですが、大人の文化交流という位置付けでは、重要な歳末行事ですね。
と、言う訳で、本年度の映画部門。今のところ『鉄男 THE BULLET MAN』がぶっちぎりで首位を独走しています。
そんな最新版『鉄男』の興奮が覚めやらぬ中で、改めて見直しているのが『鉄男Ⅱ BODY HAMMER』です。
無論「Ⅰ」も最高なんですが、こちらの「Ⅱ」によって、塚本監督の世界観が、本格的に確立された気がします。

謎のスキンヘッド集団に襲われた平凡な男が、鋼鉄の人間銃器へと変貌を遂げ、壮絶な戦いを繰り広げる。
本当にもう、それ「だけ」の映画なんですが、何度観ても、興奮は最高潮に達してしまいます。
『鉄男 THE BULLET MAN』でも健在だった圧倒的なスピードとカッティング技術によって、
僕たちはTVの前から、錆びた鉄とオイルの臭いが充満する廃工場へと引きずり込まれるのです。

「念を込めて創った物であれば、3Dでなくても、スクリーンから飛び出すんだ」
とは、塚本監督の弁ですが、まさにその通りの映像世界を観客に突きつけてきます。
こんなものを思春期に見せられたら、そりゃあ、心的外傷の程度は甚だしいってもんですよ。

製作・監督・脚本・美術・撮影・照明・編集・出演を手掛ける塚本監督は、こんな化け物みたいなプロジェクトを、
ほとんど一人で背負い続けています。そんな監督のD.I.Y精神に、刺激を受けない人間なんているのでしょうか?
カー・チェイスならぬ、チャリンコ・チェイス・シーンは世界に誇りうる最高の名場面、未見の方は是非とも体験を!

塚本晋也 監督 / 鉄男Ⅱ BODY HAMMER

テーマ : 映画
ジャンル : 映画

おしっこの領分



妻を見て、母を見て、祖母を見て、いつも思うことなんですが、やっぱり女性は強いな、と。
あらゆる面で男を上回る器量を持ち、実は精神面で家庭を支えているのは、他でもなく女性だな、と。
だるまさん仰るところの「隠れサグ」とは言いえて妙、ですね。

自宅ベランダからゴミ集積所めがけてゴミ袋を放り投げ、半裸のまま銭湯に通い、仏壇に向かって
呪詛を唱える祖母とひとつ屋根の下で暮らした幼少期、子供ながらに畏怖の念を抱いたものですよ。
奴とは絶対に同じ土俵には上がれねぇ、と(笑)。大怪我するぞ、と(笑)。
まぁ、祖母の例は少し特殊ではありますが、女性は男以上に自分のやるべきことを知っている気がします。
戦争することと射精することしか脳のない僕たち♂とは、根本的に背負っているものが違うのでしょう。

本作の中で描かれている女性も、自分だけの才能を存分に発揮していて、正直、男の入り込む余地はないです。
ゲイであることを認めているペドロ・アルモドバル監督だからこそ撮れた作品と言えるでしょうね。
往年のヒッチコック・マナーを踏襲しつつも、そこから先のオリジナリティが素晴らしい。
特にペネロペさんの放尿シーン、厳密に言うと、放尿しようとして「あること」に気づくシーンですね。
僕が駄弁を弄してきたことの回答は、すべてここにある、と断言しておきます。だから女性には敵わない!
あ、妻がトイレに向かったので、今日はこのへんで、さよなら、さよなら、さよなら。

ペドロ・アルモドバル監督 / ボルベール

テーマ : 映画
ジャンル : 映画

You talking to me?



映画『タクシードライバー』と言えば、中学時代イケてなかった男子にとってのマスター・ピースでしょう。
冴えない男子生徒の多くが、ブーツの内側にカッターナイフを忍ばせ、カーテンレールを用いてモデルガンの
装着具を自作し、そして、夜な夜な鏡の中の自分に向かって「俺に聞いてんのか?」と呟いていた筈です。
ええ、もちろん僕もそうでしたよ。思いきってソフト・モヒカンにまでチャレンジした、痛い奴でした(笑)。
不良グループに弄ばれているクラスのマドンナを、自分の手で救い出すという妄想を何度思い描いたことか。

未だに僕の中で「男」と言えば、「彼」のような人間を想像してしまいます。
身勝手な妄想を飼い慣らした挙句、悉くハメを外すと言いますか。空回り48手と言いますか。
「男」は稚拙で危ない生き物なんです。だから、全国のご婦人たちよ、思わせぶりな態度はやめてくれ(笑)。

さすがにいま見直すと、当時の自分と向き合っているようで、居心地が悪くなってしまいますが、
マーティン・スコセッシにとっても、ロバート・デ・ニーロにとっても、本作こそが最高到達地点だと思います。
さて・・・と、夜も更けたことですし、マグナム44を片手に、歓楽街にでも繰り出しますか・・・(笑)。

マーティン・スコセッシ監督 / タクシードライバー

テーマ : 映画
ジャンル : 映画

チャランゴは悠久の向こうに



晴天の秋空の下、愛車のDAHONに跨って、妻とサイクリングに出かけた時。
ヨチヨチと膝の上に乗ってきた、愛猫のミューモと見つめ合っている時。
そんな時、不意に、この世から消えてしまいたいという衝動に駆られることがあります。
リセット・ボタンを押されたマリオよろしく、瞬時にして生きてきた痕跡を消失する僕たち。
それは「死にたい」という安直な発想ではなく、むしろポジティヴな感慨として、胸中に芽生えるのです。

愛読ブログ『Astral Clave』で紹介されていた、南米インディオ系のチャランゴ奏者ハイメ・グアルディアさん。
彼の奏でる繊細で叙情的なチャランゴの音色は、独りよがりの妄想を、風とともに優しく包み込んでくれます。
この世には、僕のちっぽけな脳みそでは想像も出来ないような豊かな音楽がポロロン・・・と生まれてくる訳です。
音楽が生まれ育つ過程は多様であり、それらは必ずしも一冊の教科書には集約されません。
だから本当は、音楽を「語る」ことなんて不可能なんですよ。それでも語るのが人間です(笑)。

↓このようなシチュエーションで聴きたい、ハイメさんの素敵なチャランゴ演奏。
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JAIME GUARDIA / EL CHARANGO DEL PERU

テーマ : 音楽
ジャンル : 音楽

赤サンボ薬局の処方箋

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クリオージョ音楽とは、ペルーの混血音楽であり、男性の場合は、ED(勃起障害)、早漏や遅漏、
そして性欲減退等、男性の性機能改善をはかり、精力をより高めることを目的とした音楽です。
女性の場合は、不感症、冷感症、性欲欠乏などに効果を発揮する音楽をいいます。
今回はフェステーホの効能を説明します。

フェステーホ ⇒ アフロ系混血音楽(男性用リズム薬、女性用リズム薬)

男性を男性らしく、女性を女性らしくしている本質は、他でもなくアフロ系混血音楽のリズムです。
カホーンやキハーダなどのハチロク・パーカッションを中心に作りだした強烈なビート感は、
性機能の中で性欲をかき立てて、勃起や射精、快感などの現象に直接働きかける効果があります。
リズム感は人の成長や老化の過程で盛衰があり、これが性機能の異常と密接な関係があることが判明。
勃起障害や早漏などの性機能障害だけではなく、男子更年期障害の症状も改善します。
クリオージョ音楽は、病気の有無や目的によって、ご自分に好ましい音をお選びください。

by 赤サンボ薬局・局長 アルトゥーロ“サンボ”カベーロ

OSCAR AVILES , LUCILA CAMPOS , ARTURO " ZAMBO" CAVERO / Y...SIGUEN FESTEJANDO JUNTOS

テーマ : 音楽
ジャンル : 音楽

世界の終わりとアルセニオ・ロドリゲス



7歳のときに飼い牛に顔面を蹴られて失明するという、究極の「すべらない話」を持つアルセニオさん。
けれど、真に「すべらない」のはそんな逸話ではなく、彼の作った数々の名曲の方でしょう。
世界が終わるその瞬間に、僕が耳を傾けているのは、きっと彼の手掛けたルンバやマンボやソン・モントゥーノ。
重厚でいて、しなやか。泥臭くも軽快な素晴らしい演奏に、キラリと輝くトレスの響き。
豆蔵くん言うところの「でんせつのひかり」、僕にとってはアルセニオ・ロドリゲス。
音楽を聴き続けることの、ひとつの大きな意味が、こちらのBOXには詰まっている気がします。

ARSENIO RODRIGUEZ / EL ALMA DE CUBA, GRABACIONES COMPLETAS RCA VICTOR 1940-1956

テーマ : 音楽
ジャンル : 音楽

小便横丁のマイルス・デイヴィス



ラウンジなんかで奏でられるお行儀の良いジャズは、悉く鼓膜をすり抜けていく。
アンモニア臭の漂う薄汚い路地裏から聴こえるマイルスのミュート。
溝鼠と酔狂のハミング。そんなジャズが聴きたい。

セオ・パリッシュ、ケニー・ディクソンJr.、リック・ウィルハイトの3人によって結成された3チェアーズは、
そんな私の欲求を充分に満たしてくれる。厳密にはジャズではなく、ビートダウン系のディープ・ハウスに
分類されるのだろうが、そんなことは、どうだっていい。劣悪なマスタリングによって歪みまくった音響。
歴史の裏側で刻むハイ・ハット。排水溝から立ち上る有毒ガスのようにダーティなグルーヴが渦巻く。
底知れぬブラック・ミュージックの混沌が、とうに失墜したジャズの鬼神を呼び覚ます。

踊り狂ったあの夜に、メンバーからサインをもらったTシャツは、いまも部屋の片隅で悪臭を放っている。

3 CHAIRS / 3 CHAIRS

テーマ : 音楽
ジャンル : 音楽

始まったんだね戦争



イラク戦争ではなく、イラク戦争開戦前夜の男女の「まぐわい」を描いた異色作。
特異な着眼点によって、見えない銃声、聴こえない戦場を読者の心の襞に転写する。

「国民の皆様には、社会全体を自分たちで守るという認識を持っていただきたい」などという、
かつての総理の発言を聞いて、「こいつ本気で言ってんのか?」と思った自分にとっては、
これほどリアルな戦争小説はない。だが、楽観してはいられない。ここも紛れもなく戦場なのだから。
行間からは、サウンド・デモの喧騒が聴こえる。更にエクスペリメントな「わたしの場所の複数」も併録。

岡田 利規 / わたしたちに許された特別な時間の終わり

テーマ : 小説
ジャンル : 小説・文学

セックス・コミュニケーション



ビアフラ戦争ではなく、ビアフラSEXを描いた傑作。
執拗に繰り返される心と身体の対話。生々しいアフリカの声。
行間からは、レックス・ローソンやボビー・ベンソンの歌声が聞こえる。

チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ / 半分のぼった黄色い太陽

テーマ : 小説
ジャンル : 小説・文学

あの夜のビリリ



「人間に“再起不能”なんてことは絶対ない、“遅すぎる”なんてこともない」

そう、僕にも始めなければならないことがあるんだ。まだ間に合うかな?
あの日の夜、コンゴからやってきた路上の楽団に、多くのことを教わった。
ありがとう、スタッフ・ベンダ・ビリリ。
また来てな、スタッフ・ベンダ・ビリリ。

テーマ : 音楽
ジャンル : 音楽

海に行きたい



知人から一枚のCDRを手渡された。
ジャケは無く、小さな紙切れに、手書きで収録曲のタイトルが記されていた。
その自主制作アルバムは、「uminiikitai」という曲で幕を開ける。

知人の本職はミュージシャンではない。
笑顔を絶やさない彼は、立派な美容師さんだ。

けれど、当然、それだけが「彼」ではない。
人間はそんなに簡単じゃない。
彼の爽やかな笑顔の奥に潜む衝動が、ノイズを生んだ。

CDを再生させる。
遥か彼方からハーッシュ・ノイズが押し寄せてくる。
痛い痛いと泣き叫ぶ心が、のたうちながら迫ってくるかのようだ。
それは、爽やかさとか癒しとは無縁の音塊。メロディー以前の、叫び。
これが人間の音だ。いや、この音こそが「彼」という「人間」なのかもしれない。

すべてを聴き終えたとき、日常の「音」が遠くに感じられた。
改めて曲名に視線を落とすと、ラストの曲も「uminiikitai」だった。
なぜだかわからないけれど、ちょっと泣いた。

立石 順哉 / NO TITTLE

テーマ : 音楽
ジャンル : 音楽

ごめんニャさい



当ブログを読んでくださっている、みニャさまへ。
更新が滞っておりまして、まことに申し訳ございニャせん。
バカ主人のアルバイテンに代わって、私から深くお詫び申し上げニャす。
プロフィール

繁盛亭アルバイテン

Author:繁盛亭アルバイテン
ヒッピー・ボヘミアンな生活に憧憬を抱く浪速のポンコツ。
物心ついたときから寝つきが悪い。

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